1年間で500人に会い続けた、メンヘラ気質で自信が無かった女子の行動し続ける理由

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白石 大樹

【早稲田大学(20卒)】【Inno-BUTAライター】大学受験の挫折やフィリピンでのボランティア経験より形成された《尽力》という価値基準を基に、長期インターンの紹介事業に従事。エージェントとして通算100名以上の学生とキャリア面談を実施する傍ら、NPO法人で難民支援にも取り組んでいる。

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駒沢女子大学の人文学部に、遠藤 知佳(えんどう ちか)さんという4年生がいる。

 

僕は今まで、形式問わず100名近く(もしかするとそれ以上)の大学生とお話をさせていただいてきたが、彼女ほどコンプレックスを抱え、それらをバネに強い意志を持ち、行動し続ける人間を見たことがない。正直、彼女にインタビューする間に様々な感情が入り交じり、涙を流してしまった(当然、そのような経験は初めてである)。

 

彼女は1年間で500人以上の区分・業種など関わらず多種多様な人に会い続け、「自分に何が出来るのか」「どうすれば出来るのか」をひたすら問い続けた。その後は人材輩出企業で新規事業立ち上げ、コンサル会社で学生向けメディアの企画・運営、賃貸の営業、ドラマ・映画制作会社で新卒採用の部長、リゾートホテルの開発・運営など、多彩な長期インターンを経験。現在は世界トップレベルのリゾートホテルでレセプション業務に従事。来年度からはシドニーの院留学を予定している。

 

「500人」

 

それを聞いた時に、開いた口が塞がらないというのはこういうことを指すのだろうかと思った。しばし、就活サイト等で「OBOG訪問50人以上~…」といった題目を目にするが、単純計算でその10倍以上の人に彼女は会い続け、最終的には各国の大使や農林水産大臣、フィリピンの政治家や財閥にまで辿り着いている。

 

インタビュー冒頭は安直に、「彼女は頭が良いから、そういったことが出来るのだろう」と思っていたが、彼女は(少なくとも社会的には)優秀ではなかった。その象徴として、(首都圏の大学生はより理解出来ると思うが)大学受験時には第1志望であった大東亜帝国(ある大学群を指す通称)の一角に落ちている。

 

であれば、彼女の行動力を支えるモノは何であろうか?どんな想いで、どんなことを描きながら彼女は大学生活を送ってきたのだろうか?その原点を探りたくなり、取材を続けた。

撃を受けたフィリピンの語学留学

(語学留学時の写真inフィリピン) 

遠藤さん
1年の春休みを使ってフィリピンに語学留学したんですけど、幸運にも語学学校で一緒になった日本人の同期留学生たちに恵まれて。起業家やバックパッカーなど意識の高い人達が多くて、その同期達に衝撃を受けたんですよ。
だいき
何が衝撃だったんですか!?
遠藤さん
私って大学時代の選択肢にバイトしかなくて。インターンなんて就活前に行くものだと思っていたし、起業なんて経験を積んだ会社員しかできないと思っていたので「学生のうちにそんなこと出来るの!?」って(笑)それから、私も何かやりたいと考えました。

しかし、帰国後に長期インターンをやりたかったものの、学歴も地頭もない自分が入れる・出来ることはないと悟った彼女は、とにかく人に会ってその人の人生観を聴き続けた。留学先で出会った人を足掛かりに人脈を伝い続け、「学生時代に何をやってきたのか」「どういうことが人生で大事なのか」を代表取締役、投資家、起業家、政府の役人など計500人以上に問うた。

 

時には異業種交流会というビジネスの場に紛れて話を聞きに行くこともあったし、時にはその中で出会う方々に「甘いよ、君」など卑下されることもあった。

 

それでも彼女は折れずに活動を続けたが、そこにはもう一つの理由があった

遠藤さん
後は、アジアの貧困層を目の当たりにする中で、この人たちを助けたいと思った。国によっては生まれた瞬間から未来が決まっているとか、意思決定の権利すらない状況で生きる人達が沢山いて。学校に行きたくても行けないとか、これって凄く不公平な世界で。
だいき
僕もフィリピンで支援の経験があるので、凄く共感出来ます。
遠藤さん
募金(程度の少額)では解消できないほどの巨大な格差を是正するために、それを実現できる会社に就職する(作る)か、そういう機関に投資することを人生の目標にした。

その為にも、まずは自分が強くならないといけないと思って。自分が人よりお金を稼ぐってことは、人より辛いことや苦しいことをやらないといけない。

しかし、(良し悪しは別で事実として)そうした発展途上国の現状を見た人の大半は、他国の事情を自分事として捉えない。なぜ彼女は、強く当事者意識を持ち続けているのだろうか?

解かれる過去。人生で初めての挫折と心を震わせてくれた経験

(中高時の写真)

遠藤さん
それに回答するには、背景となる高校時代の話からしますね。
遠藤さん
まず、高校1・2年の時は学校に行ってなかったんですよ。グレてメンヘラちゃんで、ピアスも開けてリストカットもしまくって、付き合っている人もヤクザみたいな(笑)時折保健室に行って給食を食べて帰る。そんな生活だったんですね。
だいき
(今の彼女からは全然想像できない…)

しかし、高3になって「このままだとさすがにヤバい」という危機感を抱く。父親の影響で、建築を大学で学ぶと決心した彼女は、そこから1日13時間の勉強生活を送るようになる。

遠藤さん
でも、やっぱりスタートが遅すぎて。早慶に比べたら微妙ですけど、当時の私からしたらハードルが高かった大学にオールA判定で落ちたんですよ。それが人生で初めての挫折でした

挫折した際に「社会はシビアであること」を悟ったという。今まで親が何とかしてくれた人生だったが、これだけ勉強したにも関わらず結果に対して同情がない社会の冷酷さを目の当たりにし、自分で(自分の人生を)どうにかしないといけないことを痛感した

 

以降、就職活動では同じ想いをしないように胸に誓い、頑張ろうと考えてきたという。

遠藤さん
それから大学に入ったけど、初めはメンヘラだったので頑張ることが凄く難しくて。表向きでポジティブを演じる自分と、傷ついてリストカットしてもいいネガティブな自分の2人を作ったんですね。今は何があっても傷つかないんですけど、当時は大変でした。
だいき
うんうん…(泣)
遠藤さん
でも、先ほども言ったように、フィリピンでもっと頑張らないといけないって思った。

自分を養うことだけでも大変なのに、自分以外の人生を背負って生きていくためには、弱虫な自分を強くしないといけない。だから、辛ければ辛いほど辛い経験をしようと決めています

帰国時には「子どもの筆箱が買えないから、置いて行って欲しい」と言われるほど、とても貧しくて生活出来ない状態であるにも関わらず、ご飯を提供してくれた現地の人々や、本当に低い給料を割いてお酒を奢ってくれた先生の存在が、想いの強さの源泉だ。

 

大学受験に失敗して学歴コンプを抱え、学歴や頭の良さが人間としての価値(≒人間としての幸せ)と考えるほど自信が無かった彼女は、日本とは違う幸せのステイタス(いわば愛なのか)に心が震えたという。

遠藤さん
この人達のために生きたいと思った。自分の人生のために自分を使うよりも、こんなに心を震わせてくれた人達に、恩着せがましいけど貢献したい、そのために命を燃やしたいって。

だから「辛い経験をすることで強くなれる」という想いで、常に高いモチベーションを保って前に進み続けた

メンヘラ気質でダメな自分、そんな自分を受け入れてくれたフィリピンの人達。当時の体験(想い)が、彼女の頑張る理由だ。

えない学歴コンプ。自分との約束を守ること

遠藤さん
でも、もともと超絶自信の無いタイプだし、それこそ学歴コンプに初めは凄く苦しんだ。でも、決定的に「(学歴コンプが)消えた!」って実感した瞬間があって。
だいき
どんな瞬間ですか?
遠藤さん
それが、とんでもない苦難に逃げ出さずに向き合い続けること。結果が出るかではなくて、自分が掲げた約束をとにかく守り続ける。愚痴も弱音も吐いていいし、泣いてもいい。ただ、とにかく止まらずに進み続ける。

結局、学歴コンプは自信の欠如なので、苦難を乗り越える経験を積み重ねることが大事。自分はその方法でちょっとずつ消していった。

だいき
それ分かります。「今日はこれやろう!」って決めたことをやらないと、「ああ、俺ってダメだ」って思っちゃいますもんね。

人前で常に笑顔でいる、早起きをする、毎日誰よりも出勤する等、内容自体は何でも良い。「自分との約束を貫き通す(≒目標を達成する)」ことが、自己肯定感を向上させるのに効果的だそうだ。

 

加えて、仮に自分との約束を守り切れなかった(ダメだった)場合は「いつでも強いわけじゃないし、それは相性が悪かったんだと忘れる努力をする」と語る。出来ることにフォーカスしてチャレンジし続け、“諦めないことが諦めるよりも大きくなるように“が基本スタンスなのだ。

遠藤さん
後は、真面目にやり続けることが正義でも美学でもないので、とにかく楽しくてやりやすい方法で行動すること。勉強だって、机に向かうのが辛ければ楽しく目標達成するやり方を考えれば良い。

楽しいと楽することは違うことなので、自分が「この方法だったら楽しいかも」って思えるやり方でチャレンジする。

遠藤さん
楽しく努力する。楽しければ目標達成も自然と出来る
だいき
「真面目にやり続けることが正義でも美学でもない」って言葉は響きます。一般論に左右されがちですけど、自分がやりたいようにやればいいですもんね。

彼女の場合、英語の勉強を座学から人と会うことにシフトした。「日本語だって、小さい頃から文法なんて知らないじゃん?とりあえず話をして、英語を聞いたり話たりする。関係代名詞〜とか逆接方〜とか後付けで良くて、まずは自分が楽しくやること」。それが彼女にとっての勉強法であった。

 

事実、彼女は来年度シドニーに院留学を予定している(※院留学は語学能力が必須)。

歴コンプに悩む人へ。「人生は楽しんだもん勝ち」が真実

彼女に僕が(涙を流すほど)共感したのは、「彼女が特別出来るタイプではなかった」ことだ。ご存知の通り、別に優秀な人生を歩んできたわけではない。むしろ逆だったであろう。それでも様々な想いを抱えながら逆境の人生を乗り越え、現在の彼女を形成している。自信が無い自分、弱い自分、自分の負を解消するためにアクションを取り続けた彼女の生き様が美しい。

 

そして最後に、過去の自分同様に苦しむ人達(学歴コンプなど)に向けて、メッセージをしてもらった。

遠藤さん
まず事実として終身雇用が減り、副業ができる企業が増え、グローバル化が進んで同時に少子化社会が進んで。
遠藤さん
新卒を多角的に評価する企業が増えたり、今は「己の力」を見ている大人が多い。学歴があれば死ぬまで安定して生きていけるって社会じゃなくなっている気がする。
だいき
そうですね。『LIFE SHIFT』でも提唱されていますが、個人が力を持たないと生きていけないようになってきている。
遠藤さん
それと、人生を楽しんでいる人が最後一番強い!(笑)挫折しそうになったり心が折れて諦めてしまいそうになった時、一番大事なのって目標に対する情熱や気持ちの部分だと思うんです。
だいき
動機や理由のところか。苦しい時に立ち返る原点ですね。
遠藤さん
今は事実、好きなコトで生きていける世の中。生きていけないとか、できないって決めつけるか粘るかは自分次第。

私の好きな言葉に「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分。」という言葉があります。これって本当。きっと最後まで粘りきる情熱とその時その時の状況を楽しむことが自信をつけたり、目標や夢を叶える為に大切だと私は信じています。

だいき
(この人の言動は想いがこもっているなぁ)
遠藤さん
今は学歴コンプで苦しんでいるとしても、とにかく自分の好きな事、一生懸命打ち込める事を見つけよう。その為に、自分がやったことのない経験をする。

チャレンジし続けるうちに自分の向き不向きが分かってきて、段々と「これだ!」って思えるものに出逢える。小さい頃から色々な経験をしてきているんだから、何も無いってことはないよ

だいき
「やってみないと分からない」というのは、本当に沢山の学生や社会人が言うので、真理ですね。
遠藤さん
ドンドン色んなことにチャレンジして、好きな事に全力で生きよう。自分で掲げた約束を、楽しい努力で達成する。そうすればいつの間にか、自然と夢が叶うはず。大丈夫!(笑)

そんな彼女は将来、フィリピンに限らず世界中の困っている人達に寄り添うNPO等に投資をしたいと考えている。また、ホスピタリティが仕事であるリゾートホテルの社長になって、沢山の人に笑顔と感動を届けたいと志す。

 

沢山の期待で胸を膨らませて、そんな彼女の今後の人生を応援していきたい。

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