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白石 大樹
【早稲田大学(休学中/20卒)】【Inno-BUTA編集長】
大学受験の挫折やフィリピンでのボランティア経験より形成された《尽力》という価値基準を基に、長期インターンの紹介事業に従事。エージェントとして通算100名以上の学生とキャリア面談を実施する傍ら、NPO法人で難民支援にも取り組んでいる。
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こんにちは、だいきです。
今回は1年時から長期インターンに精力的に励み、ベンチャー企業(以下、ベンチャー)と大企業の両社で長期インターン経験のある方にお話を伺いました。そんな彼女が語る、ベンチャーと大企業で長期インターンすることの違いや、双方に適した人材とは何でしょうか。
N.Sさん(※本人希望により匿名)、横浜国立大学(経)4年。高3時に地元の伝統工芸がフランスのデザイナーとコラボしたことを契機に、付加価値の創造やブランディングに興味を持つようになる。大学進学後、1年時より複数のベンチャー企業にて長期インターンを経験。その後はIT業界の大企業にて、サービス内の企画業務に従事した。付加価値の創造×広告×ITを就活軸に外資コンサルに内定。
ベンチャーと大企業、一番の違いは教育体制の差

早速ですが、ベンチャーと大企業の違いって何だと思いますか?

一番感じたのは、教育体制の差ですかね。

ベンチャーはどんな感じですか?

私はベンチャーで企画営業の長期インターンをしていましたが、その話をしますね。

社長にとりあえずクライアントのところに連れて行かれて、そこで「分かんないところがあれば質問してね~」というスタンスでいきなりタスクを社長に振られるんですよ(笑)まあ、社員がたった3名だったので理解はできますが、こっちからすればそもそも何をすれば良いのか、どうやれば良いのか分からない。

確かに(笑)僕ならその時点で萎えます。

自分なりに一生懸命考えて資料を作って社長に提出するんですけど、「この部分甘くない?」とバッサリ。メンタルもやられるし、泣きそうにもなります(笑)裁量があるので成長は担保できますが、インターン生自らが手探りで色々と吸収していく必要があります。

大企業はいかがでしょう?

まず、入社時に所属部署の社員さんをメンターに付けてくれます。何かタスクをこなすと一旦、そのメンターに投げてフィードバックを頂きます。また、社内コミュニケーションツールや各サービスに関するマニュアルのようなシステムがあって、自分が行う業務を過去の社員さんがどういう思考回路で、どういう背景で、どういうデータを使ってoutputしたのかを参照できるようになっているので、それらを活用しながら業務を遂行できます。

なるほど。メンターや過去のノウハウなど、システム化されているわけですね。ただ、ベンチャーだとマンパワー(労働力/人手)が大企業と比べて圧倒的に足りないので、システム化にはどうしても手が回らないのかな。

そうしたシステムを活用するだけで業界などの大枠以外にも、サービス知識やユーザーの属性など細部についても学ぶことができます。

あとは、様々なバックグラウンドを持つ社員さんが沢山いるので、フィードバックに多様性が生まれます。私のいたベンチャーの社員さんはコンサル出身だったんですけど、その方だけにフィードバックを頂くとなると、コンサルの視点しか享受できない。でも、大きい企業になるほど多様性も生まれるので、業界をまたいだ視点を取り入れることができます。

なるほど。常日頃から距離感の近いところで、多様な人と触れ合えるのは大きいメリットですね。

そのおかげで本当に価値観が拡がりました。ベンチャーだと日々同じような人と仕事をすることになるので、価値観が固定化されやすい。私は学生時代に沢山の社会人と接点を作ることが大事だと思っているので、社内だけでも色んな人脈を増やせたり、色んな背景の人とお話したりすることに魅力を感じます。
会社規模が大きいほど、当然サービスのユーザーも多い。効果検証にも大きな違いが

(PCいかつい…趣味は音楽だそうです!)

教育体制以外に、何か違いはありますか?

企画のPDCAサイクルをより正確に回すことができる点ですね。

つまり、どういうことですか?

会社自体が大きい(認知度も大きい)ので、自社サービスを利用しているユーザーの母数も圧倒的に多いですし、そのおかげで自分がリリースしたものがどう波及していくのか、そのインパクト(影響)を測りやすい。

なるほど。母数が多いほど、情報の正確性も上がりますからね。

そうなんです。正確な検証ができるから、自分の分析の精度を上げたり、より良い改善施策を提案したりできます。

一方でベンチャーの方はいかがでしょうか?

当然、規模感にもよりますが、私が担当していたサービスが数名・数十名単位のものだったので、そうしたユーザーから採れる数値の分析は、やはり正確性に乏しいです。大企業の長期インターンは、それこそ万単位のサービスユーザーのデータを用いて様々な観点から検証ができたので、そうしたデータアナリティクスを学べたのは面白かったです。

これをやっているうちに、大企業の方が面白いと思うようになりました。世の中に大きなインパクトを与えることができるし、そうした仕事をしたいと思っていたので。もちろんベンチャーでもできますし、いずれは自分なりに事業を作ってみたいという想いもありますけど、1社目は大きな事業を展開しているチームの一員になろうと思ったのは、今回の経験からです。

どのフェーズ(段階)を求めているのかだと思いますね。事業を作るのか、事業を大きくしていくのか。まずは後者からってことですね。
自分でドンドンやり切れる人はベンチャー向き。逆に手厚いサポートが必要な人は大企業向き

((何をしゃべろう…))

最後に、ベンチャーと大企業で長期インターンするには、どんな適性が必要だと思いますか?

まず、やりたいことの粒度が荒い方は大企業に行くべきだし、逆にやりたいことがあればベンチャーですね。ベンチャーの方が制度などによる拘束が少なく、自分のやりたいことをトコトンやらせてくれます(裁量権を持たせてくれます)。一方で大企業は、良くも悪くも枠組みの中でしか業務を遂行できないので、トコトン自分なりにやりたい人にとっては息苦しさを感じると思います。

ただ、専門性の観点で話をすると。大企業は教育体制も整っているし、インターン生が社内に与えるインパクトは限りなく小さいので、そこまでの専門性を問われない。逆に、ベンチャー企業はインターン生であれ担う役割は大きいので、例えばプログラミングができる、自ら営業で受注できるなどの専門的スキルを有している方が適していると思います。やりたいことがある、それを実現できるだけの能力を持つ方は、ベンチャーでゴリゴリ実績を作って、次のステップに行かれる方が利口な気がします。

なるほど。大企業だと枠組があるが故に自分のやりたいことを貫けない、そんなもどかしさはありそうですね。他にありますか?

セルフコントロール(自己管理)ができる方は、ベンチャー向きですね。担う役割が大きいほど、当然タスク量も増えるので、自分をコントロールして継続的に取り組める人が良いと思います。それができない人は大企業の方が良い。

というのも、自分のモチベーションが落ち込んでいるときには相談できる方が制度として仕組まれていますし、先ほども言ったように沢山の人がいるので、様々な観点でフィードバックを頂けると思います。

いや、面白いですね。当然企業によるんでしょうけど、両社の実感値を持っているN.Sさんの意見は説得力があります。
最後に、就活を軸に長期インターンをやるか悩む学生さんへ

少し就活の観点から話をしても良いですか?

大丈夫ですよ!!

(広告・ITのみですが)大企業の採用を受けてみて思ったのが…

大企業なら「いかに個性的・何かに秀でてる・”〜の子”という印象を残せるか」、逆にベンチャーなら 「即戦力・その企業のビジネスチャンスを広げられるような人材かどうか」がすごく大事だと思ったので、もし大企業に行きたいなら必ずしもインターンは必要ない。今、自分が好きなことがなぜ好きなのか・もう少し深く関わって見れないかというところをロジックを持ってしっかり考えれば他の就活生と差別化できると思います。

なるほど。僕はエージェントとして学生さんと面談することを仕事にしておりますが、「大企業に行くために長期インターンをやる」という方が一定数いるんですよね。

全然悪くないですし、実際に業務に触れてみることは大事だと思いますが、長期インターンに参画することがMUST条件ではないということですね!